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溫柔の夜

溫柔の夜

魅了されながら、ある事

美咲は教会が運営する施轉按套現設での生活は、7才になっても相変わらず、会話もとろうとしない。
真理と同じ小学生だが、入学式後は修道院の部屋に閉じこもったままだった。
神父、修道院の修道僧、孤児施設の職員が、声をかけても表情は全く変わらない、眼を合わせる事もしない。
ただ声をかけると顔を見上げるだけで言葉での返事はない、微笑みや笑顔もない。
美咲の眼は、ただ一点だけに集中し下向き加減で、床を見ているだけで、すぐに部屋に閉じ込もってしまう。
部屋から出るのはトイレに行く、食堂で食事をとるだけである。

食堂では決められた時間で食事が出されるが、美咲の場合は食道に誰も居なくなってからであった。
そして、食道で美咲と一緒に居られるのは、美咲の心を開かせようとするセラピストだけであった。
しかし、その時間は限られ、美咲の行動に合わせる事が精一杯のセラピストである。
ただ美咲は、徐にセラピストの顔を見て、眼を合わせる時が稀にあった。
眼を合わせる時の美咲は、以前は神父に渡していたが、カウンセラーに渡す事もあった。
美咲の絵を見たセラピストは、構図や色彩を見ながら徐々に美咲を分析する事が出来る様になる。

セラピストは、美咲の心にあるものに、魅了されながら、ある事に気づき始めていた、しかしそれは仮説の段階であり、神父には伝える事はなかった、良きタイミングを見計っていた様だ。
「神父様、過去の美咲さんの絵を見せてもらえないでしょうか」
「はい、美咲様の絵は、こちらの部屋にあります、何か感じるものがありましたか?」
「いいえ、申し訳ありません濕疹、今はまだ何もわかりません」
「そうでしたか、今後も美咲様を宜しくお願いします」
神父とセラピスの会話である。

その部屋は特に広い部屋ではなく、美咲だけの絵画を置くだけの保管する部屋である。
神父はセラピストに、過去からのスケッチブックを机の上に置き、その場から静かに去っていく。
セラピストは部屋の雰囲気に何かを感じたのか、周囲を見回していた。
「何故、この部屋なのだろう?」
床以外の天井や壁に花々や海や森など自然の風景に天使、イエスキリスト、聖母マリアの彫刻が施されている。
セラピストは、美咲は孤独という障害を持って生きてるのではなく、富や繁栄の愛情に恵まれた人生を送っているのではないかと思い感じていた。
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